アルト好調で期待! 元祖軽ホットハッチ「アルトワークス」復活の実現度
掲載 carview! 文:小林 秀雄 53
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2021年12月に現行「アルト」を発表したスズキ。2022年4月~9月の上半期には前年累計比109.8%の3万1165台を販売。その後も23年1月に至るまで、前年同月に対して概ね10%増となる販売台数をコンスタントに重ねています。
新しいアルトは従来のR06A型エンジンとエネチャージを組み合わせたガソリン車に加え、吸排気VVTを搭載したR06D型エンジンにISGとリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッドもラインナップ。WLTCモード燃費は軽自動車トップの27.7km/Lを達成しました。
また、全高、室内高、室内幅を拡大して室内空間を広げたほか、予防安全技術のスズキセーフティサポートを全車に標準装備。そつなく高めた商品性が販売好調の原動力となっていると考えられます。
そんなアルトの発表当初、多くのクルマ好きから注目されていたのが、新型にも高性能版の「アルトワークス」が設定されるか否かでした。歴代のアルトワークスといえば、軽量なアルトのボディに高出力なターボエンジンを搭載することで走行性能を高め、70年代以降に流行した「ホットハッチ」を代表する存在です。
先代の8代目アルトでは、標準モデルの発表から約1年後にアルトワークスがサプライズ設定されて大きな話題となりました。そもそもアルトワークス自体が、5代目に設定されて以来の久々の復活だったのですから無理もありません。
<上とページTOPの写真:先代アルトワークス>
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じつは現行アルトの発表会でも開発陣から「アルトワークスについては今現在考えていない」というコメントがあがっていたのですが、先代でも同じ経緯を経てアルトワークスが設定されましたから、「そんなんいうて、ほんまは新型でもあるんちゃうん?」と期待されているのです。
ここからは妄想の世界に入りますが、現行アルトで最もあり得そうなアルトワークスのパワートレインはと言いますと、ワゴンRの「カスタムZ」や「スティングレー」に採用されているR06A型ターボエンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせです。
<上の写真:ワゴンRカスタムZ>
ワゴンRカスタムZの「HYBRID ZT」のFF車は車両重量800kg、最高出力は自主規制いっぱいの64psで、WLTCモード燃費が22.5km/Lです。アルトの「HYBRID X」は車両重量710kgですので、仮想アルトワークスの最高出力も64psだったとしても、燃費はそれよりよくなるでしょう。
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そして仮想ライバルと考えられるホンダ「N-ONE RS」の6速MT車と比べてみますと、そちらも最高出力64psで車両重量は840kgとワゴンRカスタムZよりもさらに重たく、WLTCモード燃費は21.6km/Lとなっています。
<上の写真:N-ONE RS>
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次期アルトワークスの実現が難しい理由として、燃費や安全装備の不備が挙げられことがありますが、こうしてワゴンRやN-ONEと比較してみますと、仮想アルトワークスがそれらより良好な燃費を実現し、スズキセーフティサポートの標準装備化で安全性を担保することも決して難しいことではないと考えられます。
ですが、残念ながら今のところ次期アルトワークスの登場を決定づけるような情報は得られていません。スズキの販売店に問い合わせてみても、発売の予定は特にないとのことでした。技術的なハードルが高くないとすれば、次期アルトワークスが出ない理由として考えられる最大の理由は、やはり単純に販売台数が少ないことでしょう。
ただ、あり得そうな落とし所として「アルトワークス」という車名は名乗らずに、先代の「ターボRS」にあたるようなターボ車を設定するという筋書きはあるかもしれません。できればアルトワークスの存続も望みたいところですが、果たして今後の展開がどうなるのか気になるところです。
写真:スズキ、ホンダ
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